立て替えのお礼は何と言う?「立て替えありがとうございます」を敬語で正しく伝える例文
立て替えてもらったお礼を敬語でどう言うか。「お立て替えいただき」「立て替えていただき」「ご立て替え」のどれが正しいのかを判断基準から整理し、社外メール・社内チャット・口頭・友人まで場面別の例文を用意しました。お礼だけで終わらせず、金額と返す時期を添える形まで。
目次
立て替えてもらったお礼を書こうとして、「お立て替え」なのか「立て替えていただき」なのか、そもそも「ご立て替え」なのかで手が止まる——という場面はよくあります。
この記事では、まずどれが正しいのかを判断基準からはっきりさせます。そのうえで、社外メール・社内チャット・口頭・友人まで、そのまま使える形を用意しました。
「お立て替え」「立て替えていただき」「ご立て替え」— どれが正しい?
結論から並べます。
| 言い方 | 判定 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 立て替えていただき、ありがとうございました | ○ | いちばん汎用。社内・社外どちらでも |
| お立て替えいただき、ありがとうございました | ○ | より改まる。社外・目上に |
| 立て替えてくださり、ありがとうございました | ○ | 相手の行為を立てる言い方。硬すぎない |
| ご立て替えいただき… | △ | 避けたほうが無難(下記) |
| お立て替えしていただき… | ✕ | 誤り(下記) |
「ご立て替え」が落ち着かない理由
「お」は和語に、「ご」は漢語に付くのが原則です。「立て替え」は訓読みの和語なので「お立て替え」がなじみます。同じ理屈で「お支払い」「お手続き」は自然でも、「ご支払い」「ご手続き」は少し座りが悪く感じられます。
「ご立て替え」を使っている例も見かけますし、通じないわけではありません。ただ迷ったときは「お立て替え」を選べば外しません。
「お立て替えしていただき」は誤り
こちらははっきり誤用です。「お〜する」は自分の動作をへりくだる型(「お届けする」「お送りする」)なので、相手の動作に使うと立てる向きが逆になります。
- ✕ お立て替えしていただき、ありがとうございました
- ○ お立て替えいただき、ありがとうございました
- ○ 立て替えてくださり、ありがとうございました
なお「お立て替えいただき」は二重敬語ではありません。「お+和語の連用形+いただく」は一つの謙譲表現として成立しています。
お礼だけで終わらせない — 添えるのは「金額」と「返す時期」
言い方が正しくても、お礼だけで止めると相手に仕事が残ります。「いくらだったか」を思い出し、それを切り出す役が相手に回るからです。
立替の金額は、実際にはこういう分布をしています。
2,000円
1 件あたりの中央値
ふたりわりに記録された立替 2,026 件
63%
3,000 円未満が占める割合
少額ほど流れて消えやすい
66.3%
100 円で割り切れない金額
「だいたい」で返すとズレる
大半は数千円以下です。少額だからこそ「言うほどでもない」と流れて、そのまま忘れられます。 そして 3 分の 2 は端数が付いているので、記憶だけで「だいたいこのくらい」と返すと必ずズレます。
だから、お礼はこの形になります。
【お礼】 + 【金額】 + 【いつ返すか】
「本日は立て替えていただき、ありがとうございました。3,200 円、明日お返しします」
金額を書くのは事務的なのではありません。相手が確認する手間を、こちらが引き取るという意味です。
相手・場面別の例文
社外の取引先へ(メール)
改まった形にします。用件が分かる一文から始めると読みやすくなります。
「先日は◯◯の費用をお立て替えいただき、誠にありがとうございました。◯◯円につきまして、◯月◯日までにお振込みいたします」
「このたびはお立て替えいただき、ありがとうございました。恐れ入りますが、お振込先をご教示いただけますでしょうか」
社内の上司・先輩へ(チャット・口頭)
長い挨拶は不要です。金額と返す時期が入っていれば十分丁寧です。
「本日は立て替えていただき、ありがとうございました。◯◯円、明日お返しします」
「立て替えていただきありがとうございました。経費で精算できそうなので、領収書をお預かりしてもよいでしょうか」
目上の個人へ(親戚・恩師など)
丁寧語で、返す姿勢を明確に。
「先日はお立て替えいただき、ありがとうございました。◯◯円、近日中にお返しにあがります」
「お立て替えいただきありがとうございました。おいくらでしたでしょうか、すぐにお返しします」
友人・パートナーへ
かしこまらなくて構いませんが、金額は同じように入れます。
「立て替えてくれてありがとう! 1,800 円、いま送ったよ」
「今日はありがとう〜 ◯◯円だよね? 合ってたら送るね」
こういうときは、どう言う?
金額が分からない
お礼のあとに、金額だけを単独で尋ねます。「いくらでしたか?」だけだと催促の響きが出るので、お礼と「すぐ返す」意思で挟むのがコツです。
「お立て替えいただきありがとうございました。おいくらでしたでしょうか、すぐお返しします」
まだ返せない
返せない事情ではなく、返す時期を言います。 理由を長く書くほど相手は待たされている感じを受けます。
「立て替えていただきありがとうございました。◯◯円、◯日にまとめてお返しします」
「いいよ、返さなくて」と言われた
一度は受けつつ、次の機会に返す意思を示すと関係が対等に保てます。
「ありがとうございます、では今日はご厚意に甘えます。次は私に出させてください」
何度か立て替えてもらって、まとめて返す
内訳を一言添えると、相手が照合しなくて済みます。
「◯◯と◯◯で合計◯◯円で合っていますでしょうか。合っていればこのままお返しします」
香典や祝儀を立て替えてもらった
金額が大きく、性質も特殊なので、現金で、袋に入れて、直接が基本です。
「このたびは香典をお立て替えいただき、ありがとうございました。◯◯円、お返しいたします」
NG 例と、その理由
- ✕ 「ありがとうございました」だけ — 金額を切り出す役が相手に残ります
- ✕ 「立て替えてもらってすみません」で終わる — 謝罪で締めると、相手は「気にしないで」と返すしかなく、金額の話が宙に浮きます
- ✕ 「今度まとめて返します」(時期が無い) — 「今度」は来ないことが多く、相手も催促できません
- ✕ 「だいたい◯◯円くらいでしたよね?」 — 端数が付いている金額が 3 分の 2 なので、概算はほぼズレます。分からないなら聞くほうが早いです
- ✕ お立て替えしていただき — 敬語の向きが逆になります(前述)
まとめ
- 言い方は 「立て替えていただき」 が汎用、「お立て替えいただき」 が改まった形。どちらも正しい
- 「ご立て替え」は避ける(「お」は和語、「ご」は漢語)。「お立て替えしていただき」は誤り
- お礼は 感謝 + 金額 + 返す時期 の 3 点セット。お礼だけで止めない
- 金額が分からないときは、お礼と「すぐ返す」で挟んで単独で尋ねる
- 概算で返さない。3 分の 2 の金額に端数が付いているので、記憶だけだとズレる
返すときの言い方そのものは 立て替えてもらったお金を返す言葉・例文 に、逆に返してもらう側の切り出し方は 立て替えたお金を返してもらう言い方 にまとめています。金額そのものが合わないときは 割り勘の計算が合わないときの原因6つ をどうぞ。
よくある質問
Q. 「立て替えていただきありがとうございます」は敬語として正しい?
正しいです。「〜ていただく」は相手の行為を自分が受けることを表す謙譲語で、立て替えてもらった側が使う形として過不足ありません。ビジネスでもそのまま使えます。より改まった場面では「お立て替えいただき、ありがとうございました」にすると硬さが増します。
Q. 「お立て替えいただき」と「立て替えていただき」の違いは?
意味は同じで、「お」が付くぶん改まって聞こえるだけです。社外の取引先や目上の方には「お立て替えいただき」、社内のチャットや同僚には「立て替えていただき」がなじみます。二重敬語ではないので、どちらも誤りではありません。
Q. 「ご立て替え」は使える?
避けたほうが無難です。「お」は和語、「ご」は漢語に付くのが原則で、「立て替え」は和語なので「お立て替え」が自然です。「ご立て替え」は間違いと断じるほどではありませんが、耳慣れない響きになるので、迷ったら「お立て替え」を選んでください。
Q. お礼だけ言って、返すのは後日でもいい?
構いません。ただしお礼と一緒に「金額」と「いつ返すか」を言うのが要点です。「ありがとうございました」だけで止めると、相手は金額を切り出す役を背負うことになります。「◯◯円、明日お返しします」まで言えば、相手は何もしなくて済みます。
Q. 上司や先輩に立て替えてもらったとき、何と言えばいい?
「本日は立て替えていただき、ありがとうございました。◯◯円、明日お返しします」が基本形です。社内であれば長い挨拶は不要で、金額と返す時期が入っていれば十分丁寧に伝わります。経費として精算できるものなら、その旨も一緒に伝えると相手が判断しやすくなります。
Q. 金額が分からないときはどう聞けばいい?
お礼のあとに金額だけを単独で尋ねます。「お立て替えいただきありがとうございました。おいくらでしたでしょうか、すぐお返しします」。「いくらでしたか?」だけだと催促の響きが出るので、お礼と「すぐ返す」意思で挟むと角が立ちません。
Q. 「立て替えてもらってすみません」と謝るのは変?
間違いではありませんが、謝罪で終わると相手が返金の話を切り出しにくくなります。「すみません」は迷惑をかけた前提の言葉なので、相手は「気にしないで」と返すしかなくなり、金額の確認が宙に浮きます。感謝 + 金額 + 返す時期、の形にしたほうがお互い楽です。
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