ふたりわり

「立替の変更履歴」で、勝手な編集や削除が成立しない設計 — ふたりわりが選んだ『見える透明性』

ふたりわりは、立替の追加・編集・削除をすべて記録し、ふたりが時系列で確認できる「変更履歴」機能を実装しました。なぜ『誰がいつ何を変えたか』を残すのか、なぜ事前承認ではなく『事後で必ず見える』設計を選んだのか、開発の思想を解説します。

2026年5月27日
「立替の変更履歴」で、勝手な編集や削除が成立しない設計 — ふたりわりが選んだ『見える透明性』
Photo by Patrick Tomasso / Unsplash
目次
  1. 01なぜ「変更履歴」を作ったのか
  2. 02なぜ「事前承認」ではなく「事後で必ず見える」を選んだのか
  3. 03「変更履歴」で具体的に何が見えるのか
  4. 04設計上、まだ完璧ではない部分
  5. 05「信頼」と「仕組み」の関係について
  6. 06関連記事

ふたりわりに、 立替の追加・編集・削除をすべて記録する「変更履歴」機能 を実装しました。「ふたり」タブから時系列で確認できます。

なぜこの機能を作ったのか、なぜ 事前承認 (相手の OK を待ってから反映) ではなく 事後で必ず見える 設計を選んだのか。開発の判断を、ありのままに書きます。

全変更

を記録

追加・編集・削除すべて

差分表示

で何が変わったか明確

¥800 → ¥1,000 のように

削除しても残る

履歴は消せない

『無かったことに』を防ぐ

ふたり共有

片方が見たことが

もう片方にも残る

なぜ「変更履歴」を作ったのか

ふたりわりは、 共有 URL を知っている人なら誰でも立替を追加・編集・削除できる 設計です。ログイン不要を最優先したため、ふたりがリアルタイムに同じデータを編集できる代わりに、 『誰が触ったか』をサーバー側で識別する仕組みがありません

この設計は「ふたりの信頼」を前提にしていました。実際、ほとんどのカップルにとってこれで十分です。

ただ、開発を進めるうちに、ひとつ気になる場面が出てきました。

「ふたりわりは信頼前提のアプリです」と書いて済ませることもできました。でも、 信頼を支える仕組みがある方が、結果としてふたりが安心して使えると判断しました。

なぜ「事前承認」ではなく「事後で必ず見える」を選んだのか

最初に検討したのは 事前承認フローでした。「削除する前に相手の OK を待つ」「金額変更に相手の承諾を要求する」など、操作のたびにパートナーの確認を挟む方式です。

でも、 これはやめました。理由は 3 つあります。

1. ふたりわりの売りは「10 秒で記録」

承認待ちが入ると、 その場で完結しない。ランチを食べ終わってレジ前で立替を入力する、というスピード感が失われます。 「立替を入れたいけど、相手の承認待ち中」 という状態は、運用上ストレスでしかありません。

2. 本人識別ができないので、承認も形だけ

ふたりわりはログイン不要のため、 「承認する人が本当に相手か」をシステム的に確認できません。同じ URL を持っていれば、自分で自分の操作を承認することもできてしまいます。仕組みとして守れない承認フローは、UI を重くするだけです。

3. 「事後で全部見える」なら、抑止力としては十分

事前にブロックしなくても、 「やったら必ず履歴に残る」と知っていれば、不正なことをしようとする動機が薄れます。これは、 透明性そのものが信頼の代替メカニズムになるという考え方です。

「変更履歴」で具体的に何が見えるのか

「ふたり」タブの「もしものとき」セクションから 「変更履歴」 をタップすると、時系列のタイムラインが開きます。

立替を追加した時

立替を追加: カフェ ¥800
ハル が立替 · 5/16

緑の「+」アイコンとともに、 何が追加されたかが分かります。

立替を編集した時

立替を変更: カフェ
金額: ¥800 → ¥1,000 / 払い手: ハル → ユイ

青の編集アイコンとともに、 変更前と変更後の両方が並びます。「金額をこっそり下げた」「払い手を相手にしておいた」も差分で明示されます。

立替を削除した時

立替を削除: カフェ ¥800
ハル が立替 · 5/16

赤いゴミ箱アイコンとともに、 削除された立替の全情報が残ります。削除しても、 「削除した事実」と「削除前の中身」が履歴から消えないのがポイントです。

履歴自体は消せない

ここが一番のポイントです。 履歴は手動では削除できません。アプリの中に「履歴を消す」ボタンは用意していません。立替を消しても、その削除ログは残ります。 「やったことを、なかったことにする」が仕組み上できないようになっています。

(ペアごと完全に削除した場合は履歴も連動して消えます。これは「データ完全削除権」の保証で、 『同棲解消したからもう関わりたくない』 といったケースに対応するためです。)

設計上、まだ完璧ではない部分

正直に書きます。 「誰が」変更したかまでは現在記録していません。サーバー側で「あなた」と「パートナー」を識別する仕組みがないためです (ログイン不要のトレードオフ)。

そのため、 「カフェを ¥800 → ¥1,000 に変更 (5/27 18:30)」 までは見えますが、変更したのが自分か相手かは履歴からは特定できません。

ただ、 『何が、いつ、どう変わったか』が見えれば、ふたりで会話するきっかけとしては十分だと判断しています。「あれ、カフェ ¥1,000 になってるけど、誰か直した?」と話せれば、それで多くの場合は解決します。

将来、「ログインしたユーザーだけ actor を記録」のような拡張は検討しています。ただ ログイン強制はしないのがふたりわりの方針なので、 あくまでオプションとして加える予定です。

「信頼」と「仕組み」の関係について

カップル向けのアプリだと、「信頼があれば仕組みは要らない」と思われがちです。実際そうなることも多いです。

でも、 信頼があっても、人は間違えます。寝ぼけて削除を押してしまう、入力時にゼロをひとつ多く打つ、急いで保存して数字を間違える — 普通に起きます。

そのとき 「ちょっと待って、これ何があったか確認できる?」と言える場所があるかどうかで、ふたりの会話の質が変わります。

関連記事

ふたりわりが「ふたりの間でどう機能するか」をもう少し掘り下げた記事も書いています。

よくある質問

Q. 変更履歴はどこから見られますか?

アプリ下部の 「ふたり」タブ → 「もしものとき」セクション → 「変更履歴」 から開けます。立替が追加・編集・削除されるたびに 1 行ずつタイムラインに残り、新しい順に並びます。

Q. 履歴を消すことはできますか?

履歴自体は手動で削除できない設計です。立替を削除しても、削除されたという事実と削除前の中身は「削除ログ」として履歴に残り続けます。これは『あとから無かったことにする』を仕組み上できなくするためです。ペアごと削除すれば、その履歴も連動して消えます。

Q. 「誰が」変更したかは分かりますか?

現在は『誰が』までは記録していません。ふたりわりはログイン不要を最優先しており、サーバー側で『あなた』と『パートナー』を識別できないためです。ただし、 「何が、いつ、どう変わったか」は完全に残ります。記録があれば話し合いの起点は作れる、というのが現状の判断です。

Q. 履歴は何件まで残りますか?

現状は 最新 50 件を表示します。それ以前は内部で保持しているものの、表示はしていません。今後の利用状況を見て、件数拡張や検索機能の追加を検討します。

Q. 履歴があると逆に揉めませんか?

『記録があること自体が、揉めにくくする』というのが設計思想です。記録がないと「言った/言わない」になりますが、記録があれば事実ベースで話せます。記憶違いを責めるのではなく、確認するための機能と捉えていただけると幸いです。

Q. 立替を編集した時、変更前の金額は分かりますか?

はい。 変更前の金額 → 変更後の金額 がそのまま表示されます。「カフェ ¥800 → ¥1,000」のように、何が何にどう変わったかが明示されます。項目名、払い手、日付の変更もすべて差分で表示されます。

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